往来庵の菊地克仁です。
いつも私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございます。
以前、
地元の靴屋さんで
新しい靴を買ったときの話です。
そのメーカーさんの靴型（足型）が
ラッキーなことに
私の足にぴったりでした。
老舗の有名メーカーさんの
専門店だったこともあり、
気に入ってすぐに購入しました。
履いているうちに、
やがて踵の靴底が減ってきました。
特に履き心地が良かった理由が、
踵の靴底が
硬質のスポンジだったことです。
適度なクッションがあり、
歩いている間も
とても快適でした。
このように、
通常のゴム底に比べて、
履き心地が良かった分、
減りが早かったのです。
すぐに修理に出すことにしました。
この固いスポンジ状のゴム、
色も特殊なものだったので、
街にある靴修理店での修理は
できませんでした。
その買ったお店に持って行って
そのメーカーさんで
直してもらわなければ
ならないことがわかりました。
「修理が終わって
店に届いたら、
お店から私に電話をくれる」
ということになりました。
その後、
待てど暮らせど連絡がなく、
お店に立ち寄って聞いても、
「もうすぐだと思いますが、
わかりません。」
とのことでした。
よく聞いてみたら、
「週１回の割合で、
メーカーが修理の靴を回収し、
その後は工場の管轄になるので、
お店ではわからない。」
ということでした。
老夫婦が経営している
お店だったこともあり、
私はそれ以上何も聞かずに
店を後にしました。
結局、
その店から連絡があったのは
預けてから3ヶ月後でした。
とても気に入った靴だったのですが、
金輪際、
二度とそのメーカーから
購入することをやめました。
私にとっては、
比較的高額で、
「靴底が減ったら、
新しい靴に買い替える」
という用途の靴では
なかったので、
やむを得ない決断でした。
話は変わりますが、
ここに一本の「鎖」があるとします。
鎖を作っている
一つ一つの楕円の輪が、
それぞれ異なる材質で
できています。
鋼鉄、
チタン合金、
超合金等々です。
この中の一つだけが、
プラスチックだった
としましょう。
この一本の鎖の強度は、
どこで決まるのでしょうか？
それは、
超硬度を持つチタン合金でも、
鋼鉄でもありません。
この
「プラスチック製の輪の強度」
が、
この「鎖全体の強度」なのです。
この「鎖の強度」は、
何のことはない、
「この強度の一番弱いプラスチックが決めいてる」
ということになるのです。
先ほどの靴メーカーさんも
同じです。
恐らく、
マーケティング部門や
商品企画、
製造や営業部門には、
社内のトップエリートを
当てているのだと思います。
メンテ部門には、
そうでもない方々を
配しているのでしょう。
販売代理店の
教育レベルの低さも同じです。
でもこれは、
あくまで企業内部の事情であって、
顧客にとっては
まったく無関係の話です。
普通の修理の期間に
３ヶ月も要した時点で、
このメーカーが、
顧客から高評価の顧客満足度
を得ることはないのです。
自社製品を買ってくれた
顧客に対して、
どういう姿勢でいるのか・・・
その企業のホンネも
透けて見えるところです。
店舗やメンテ部隊が、
その商品を
使ってくれている顧客からの声を
一番聞きやすい立場に
いる筈です。
ですが、
残念ながら、
ほとんどそうした顧客情報が
活用されていないことが
わかります。
この靴メーカーさんは
歴史ある
世界的にも有名な企業なので、
その体質も古いのかもしれません。
現場や顧客の声に耳を傾けない
一部のエリート層が、
会社を経営しているのかも
しれません。
こうしたことは、
組織の中にいると、
社内の内部事情や、
社内勢力の強弱だけで
動いてしまい、
本当の価値判断を
忘れてしまうのかも
しれません。
だから、
「顧客満足度を目指す
一貫したサービス」
が、
後回しになってしまうこと
などもあるようです。
今回も最後まで
私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございました。
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