往来庵の菊地克仁です。
いつも私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございます。
あなたは後輩から、
「ちょっとご相談したいことが、
あるんですが、
お伺いしてもよろしいですか？」
と聞かれたら何と応えますか？
昔の私は必ずこう返していました。
「いいよ～いつにしようか？
ところでどんな用件なの？」
あるとき、
私は知り合いの人生の先輩に、
重要な相談をしようと思い、
同じような内容のお電話を
おかけしたときのことです。
彼はこう応えました。
「ああ、
この日なら空いてるから、
〇時〇分に会社に来なさいよ。
その後一緒に、
ウナギでも食べに行こうか？」
この方は電話の中で、
「何の用事なの？」とは、
一言も私に聞きませんでした。
私は言われるままお邪魔して、
銀座の美味しいウナギ屋さんに、
運転手付きのベンツで
連れて行ってもらいました。
車中でも、
お店に着いてからも、
彼の口からは、
「で、今日はどうしたの？
何か相談ごと？」
などということについて、
私がその件で口を開くまで、
一切触れようとしませんでした。
このときの私の受けた印象は
強烈なものでした。
こうした対応は、
業務上も含め、
サラリーマンだった私にとって、
一般的なことではありませんでした。
それまでの私は、
こう依頼されたら、
必ずその要件を相手に聞いて
事前に内容を確認することを
習慣としていました。
オモテ向きは、
「準備できる資料とかがあれば
用意しておけるし・・・」
ということですが、
ホンネは、
後輩からの質問に、
「適切に応えられなかったら、
恥ずかしいし、
みっともないし・・・」
だったのです。
自分の経験でもよくわかるのですが、
相手に会って話をしたいとき、
その相手が、
「何らかの答えを持っている」
あるいは、
「答えることができる」
と知っているから、
面談を依頼するのです。
「この人じゃ答えられそうない」
と思いながら、
大切な相談のアポを取ることは
ありえません。
もし事前に何かを
準備しておいてもらいなら、
きっとその旨を告げることでしょう。
会う目的を語らず、
面会の時間を約束するということは、
自分の問題解決に、
その人ならきっと、
何らかの示唆を与えてくれる！
と知ってのことなのです。
私はこの強烈な経験以来、
社内外を問わず、
同様の相談ごとの電話があたっとき、
「何？どうしたの？」と聞くことを一切やめました。
そのことで、
何ら後輩の前で恥をかくことも、
困ることも起こりませんでした。
あるとき後輩から、
「菊地さんって、
何の用事だ？って一言も聞かないで
会ってくれますよね。
珍しいですよね！」
と言われて、
嬉しくなったことを思い出します。
事前に主旨を伝えない相談ごととは、
相談する側が、
相談される側の度量と見識を既に見通している
のです。
だから相手への、
「何？どうした？」
という問いかけは愚問
なのです。
「いや～事前に調べておけるし…」
というのは自己防衛のための方便
でしかありません。
こうした学びは、
私が40歳を過ぎてからでしたが、
「会いたい」と連絡してこられる方に、
事前に要件を確認しない習慣は、
今でも変えていません。
このような気づきを与えてくれた
こちらの人生の先輩には、
本当に心から感謝しています。
こういう方にお会いしていると、
何でもないところに、
本当に貴重な「学び」や「喜び」がある
と痛感します。
ここでは、
あえてこの方の名前は伏せましたが、
個別にお問い合わせいただければ、
お伝え致します。
今回も最後まで、
私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございました。
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