潜在意識

「機織り(はたおり)」から学んだこと

往来庵の菊地克仁です。

いつも私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございます。

先日、
知り合いの教えている「手織り」を
体験するチャンスがありました。

動画などで観たことのある方も
おいでになると思いますが、

右足と左足の押し板を交互に押して、
縦糸が互い違いに上下する隙間に
横糸の入った木片を左右に滑らせて、
そのたびに横糸をトントンと叩いて
一枚の布に仕上げていくものです。

縦糸は、
織り機に、
最初にセットされたものです。

縦糸は織る人に向かって、
櫛の歯のように垂直に並びます。
この縦糸は、
一度セットされたら、
変えることはできません。

一方、
横糸は、
糸の色も種類も、
自由に選ぶことができます。

織っている途中であっても、
いくらでも好きな糸に
変えることもできます。

当然のことですが、
縦糸だけでも横糸だけでも、
布にはなりません。

結構集中していると、
時の経つのも忘れて、
とても楽しい時間が過ごせます。

こうして布を織りながら、
「これって何かによく似ているよなぁ…」
と感じました。

そうなのです…

私たちの「人生」に対する考え方そのものなのです!

 

初めにセットされた「縦糸」が、
持って生まれた「宿命」とすれば、

「横糸」は、
自分で切り開いていく「生き方」
なんていう見方もできるんじゃないかと
感じました。

 

縦糸は、
既に、
決まってしまっているもの
かもしれませんが、

横糸の織り方次第で、
いくらでも、
その織模様は変えられます。

横糸の選び方で、
布の価値はいくらでも変わる、
ということです。

もとからあった縦糸の色の影響を
ほとんど受けないような
横糸の色や種類なども、
自由に選べます。

「これは私の宿命だから…」
などと言って、
世の中には、
自分の人生を早々と諦めてしまう人が、
います。

でも、
この手織りの作業に集中していると、

「実はそうでもないよな!」

「とらえ方を変えれば、いくらでも人生は変えられるよな!」

と、
トントンと横糸を叩くたびに、
教えてくれているような気が
しました。

 

逆に言えば、
縦糸の模様柄が、
非常に適切に配置されていた場合でも、
横糸の選択を誤れば、
良い布に織り上がることは
きっと難しいでしょう。

縦糸がしっかりしているのに、
どこかで横糸の選択を誤り、
自力では、
もう元に戻すことができないと感じ、
中には人生半ばにして、
自ら命を絶ってしまうような人もいます。

とても残念なことだと思います。

ちょっと視点を変えるだけで、
まったく異なる人生が始まることを
考えると、
本当に「命を大切にして欲しい」と
願うばかりです。

ここで、
あの松下幸之助さんの言葉を
思い出しました。

素直さを失ったとき、
逆境は卑屈を生み、
順境は自惚れを生む。

逆境、順境そのいずれをも
問わぬ。

それはその人に与えられた
運命のひとつである。

ただその境涯に生きるのがよい。

(ご著書「道をひらく」p.12)

私はこの言葉は、
とても深い人生観を言い当てている
と感じます。

 

我々のような人生の後輩は、
こうした先人の知恵と言葉を基礎にして、
次の新たな人生を始めていってもいい
と思います。

我々がこの世を去るときに、
こうした同じ言葉を
後世に残したのでは、
我々の世代の進歩が全然なかった証明に
なってしまいます。

私は、
初めに与えらえた縦糸を認めつつも、

自分の選んだ横糸で、人生はいくらでも変えられる

ということを、
これからも実践していきます。

手織りは、
そんなことを感じさせてくれる
とても楽しいひとときでした。

今回も私のメルマガを、
最後までお読みいただき、
どうもありがとうございました。

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