往来庵の菊地克仁です。いつも私のメルマガをお読みいただき、どうもありがとうございます。
先日、私のクライアントさんの管理職の方と、お話をした際に出た話題です。
会議の席で、上司である彼が新しい提案をすると、必ずと言っていい程、部下のAさんがその新たな変化によって起こる問題点や法的な課題をすぐに指摘して、会議がなかなか進まないことが多くて困る、というお話がありました。Aさんは頭もよくて知識豊富のようですが、新たなことをしようとする会議の席では、ブレーキ役にしかならないそうです。
彼は今までは、Aさんを会議の後、個室に呼んで議論し、納得させることをしていました。パワハラにならないように気遣いながら、対応が本当に大変だったそうです。
その後、この管理職の方はAさんに、
ある「同じ質問」を数回繰り返すだけ
で、そんなAさんの態度を変えることに成功しました。どうやったのか以下にお伝えします。
会議後、個室に呼ぶところまでは従来と同じです。その次に、彼は今まで行っていた「説得を目的とした議論」をやめたのです。
代わりに、こう切り出しました。「いろいろな意見をいつもどうもありがとう。ところで、キミは本件について、
一体、どうしたいと思っているんだ!」
と聞くようにしたのです。
初めは、Aさんはこの問いかけに、言葉を詰まらせ、一言も答えることができなかったそうです。
なぜなら、新たな問題点や課題を指摘して、会議の中で自分の立ち位置を確保することが、Aさんの参加目的の一部でもあったからです。如何にみんなの気がついていない問題点や課題を見つけて指摘するかが、自分の存在意義だと自覚していたのでしょう。
ここでなされた質問は、その先にあるであろう「どうしたいの?」という
その「目的」を上司に聞かれたワケです。
実はこの何も言えないAさんの反応は、容易に予想されたことでした。
事前に私からは、Aさんが答えられなくても絶対に詰問したり、責めたりしないように対応して欲しい、と伝えてありました。Aさんのプライドを傷つけてしまうと、ますます厄介な問題に発展するからです。
こういったやり取りが、彼とAさんの間で会議のたびに行われました。
こうした問答の中で、Aさんが「こうしたい」とか「○○のために・・・」と言えば、「そのために何から始める?」「具体的にどうしたらいいと思う?」といったように、目的意識を持つように誘導していきました。
そうしたところ、Aさんの発言内容が日を追って明らかに変わり始め、目的意識をもってものごとに対応する姿勢に徐々に変わってきたそうです。むやみやたらに問題点を指摘することをやめ、その代わりに会議の場でも
代替案や善後策などの提案
などをするようになったそうです。
「問題を回避したい、避けたい」というだけの姿勢から、「そもそも何をするために自分はそう考えるのか?」という視点に変わったのです。
このように、目的を志向する姿勢に変わったことで、当然口から出る言葉も変わります。その言葉に引きずられて、ますます思考も変わります。この
「新たな言葉と思考の循環」
がAさんの中で始まったのです。
今のAさんは、従来の態度や発言はまったく消え、提案や新たなことに率先してチャレンジする姿勢に変わったそうです。
その後、Aさんは地方支店への転勤となりました。新天地では、この新たに変容した姿勢が「Aさんらしさ」となって、支店内で定着することになりました。
このお話は、この上司の方から「嬉しいご報告」ということで、直接お伺いしました。
これは本当に、関係者みんながハッピーになった話です。でもこれは、やり方さえ知れば、誰にでもできることなのです。あなたもご自分に、あるいは部下の方に、実際にチャレンジしてみたらいいと思います。
今回も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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