往来庵の菊地克仁です。
いつも私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございます。
キャリアコンサルタントとしての
仕事を通じて、
私が学んだことを、
これからも、
あなたとシェアしたいと思います。
こうした話題を、
《カウンセリング事例シリーズ》
として、
ときどき掲載していこうかと
考えています。
すべて実話ですが、
本人のプライバシーに関する情報
（性別・年齢・職業・専門性等）
については、
主旨に影響しない範囲内で、
適宜、
変えることがございます。
ご了承ください。
《Before》
何年か前に知り合った女性です。
スポーツトレーナーの彼女は、
20余年に渡り、
ご自身の持つ専門的スキルを
常に磨き続け、
自分が納得する「完璧なサービス」を
顧客に提供することを、
ご自身の仕事の誇りとしていました。
ただ、
彼女は「過度な完璧さ」を
求めるあまり、
自分にも家族にも、
そしてクライアントさんにも
必要以上に厳しい姿勢や態度で
接することが多々ありました。
このように、
つい「完璧主義」を求める姿勢が
強くなることから、
「やる以上はゼロか100」
といった極端な思考による行動が、
目立つようになっていました。
従って、
仕事のディテールにおいても、
完璧な状態が維持できない
とわかると、
自分の中で、
急速にそのモチベーションが
落ち込んむのです。
やがて気分が乗らなくなり、
当分の間、
仕事を休止してしまうようなこと
もあったのです。
結果として、
対応に力が入らず、
クライアントさんからの期待を
裏切るようなことも
してしまっていました。
《何が足りなかったのか？どうやって引き出したのか？》
お話をうかがっている中で、
彼女の言う「完璧さ」とは、
「完璧であるが故に、いつまでも変化しないもの」
という強い意味づけが
されていたことがわかりました。
彼女にとっては、
「変化しないことが完璧さの証明」
だったのです。
それは、
ピカピカに磨いた水晶の真球のように、
「変化しない確固たる完全なもの」
というイメージでした。
常にその「完璧さ」を
追い求める姿勢に固執していることが、
わかりました。
私はその「信じ込み」を、
少し変えることにしました。
なぜならご本人も、
自分の良い面を活かしつつ、
より柔軟性のある姿勢に
変わることを望んでいたためです。
そこで私は、
「『変化しない』ということは、『進歩もしない』ということですか？」
と尋ねてみました。
それを聞いた彼女は、
すぐに、
はっとした表情に変わりました。
ポジティブにとらえていた
「変化しない」という言葉が、
別の視点で見れば、
「柔軟性がない」
「進歩もしない」
「変化に対応できない」
「進化の余地がない」
という
ネガティブな意味でもある、
ということに気がついたのです。
「変化に対応できない」
ということは、
今日は完璧でも、
明日は完璧ではないかもしれない、
ということです。
《After》
私のセッションを通じて、
その後、
「完璧さ」という言葉に、
彼女は、
「より高い完成度を求め続ける柔軟な姿勢」
という意味づけをしました。
そして、
ご自身の持つ高い専門性と共に、
様々なお客様に対して
柔軟性をもって対応するためのスキルを
磨き始めました。
すると彼女は、
自分にも家族にも、
そして他人にも、
優しく接することができるように
なりました。
自然と寛容な姿勢になり、
過度な完璧さを求めることも
しなくなりました。
さらに、
自分の仕事に対して
すぐに乱高下するモチベーションの波も
小さくなりました。
気分で仕事を選ぶことが減ったのです。
今、
彼女はご自身の持つ高いスキルを使う
プロフェッショナルとして、
誇りをもって仕事を続けています。
「簡単な言葉がけ」が、
その人の使い慣れた
「言葉」の「前提」を
変えてしまうことがあります。
今回の話題は、
「言葉」によって、
「思考」とその後の「行動」が、
簡単に変革された事例として
あなたの参考になれば嬉しいです。
今回も、
最後まで私のメルマガをお読みいただき、
どうもありがとうございました。
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